鹿野研究室ではアートユニットThe Pranksの主催する絵画と現代音楽のプロジェクト「大人になっていくときに見る夢」に学術指導という形で参加し、グラフィックデザインやウェブサイト、映像制作を制作しました。

このプロジェクトはThe Pranksが描く絵画から生まれた演奏会が中心となっており、当研究室としてはその演奏会のプロモーションを軸に、学生たちと共にデザインに取り組みました。

協力
グラフィックデザイン:小林真由/齋藤洋平
映像:宮城大学 .MoV(成塚 雅樹/梅田優弥)
宮城大学 地域連携センター
ANTWORKS

音楽:大原裕子

グラフィックデザイン

今回ヴィジュアルを作るにあたって最も重要視したのは、現実の中に潜んでいる、かすかな非現実感です。この非現実感を使って一時の白日夢を表現することを狙いました。

この考え方はタイトルロゴのデザインにも採用しました。デザインのプロセスとしては、まず明朝体を要素ごとに分解。そしてそれを再構築する際に、完全には元に戻さず、微妙なズレを重ね合わせました。

WEBデザイン

情報を明確に伝えることを大前提としながら、演奏会の不思議な世界観を表現すべくデザインに取り組みました。基本的な部分はWordpressをベースにしましたが、トップページや、イベントページのヘッダー部分ではP5JSを使用したアニメーションを採用しています。

デジタル文庫本

The Pranksは今回の演奏会のために、3000点を超える作品から20点を選出し、物語とともに組絵を構築しています。この物語を効果的に鑑賞するためには、より書籍的な読書体験が必要と考え、簡易的な文庫本のようなWebアプリを作成しました。

映像デザイン

The Pranksの絵画のもつ不思議な世界と、大原裕子さんの研ぎ澄まされた音楽。その二つを掛け合わせることで、新しい世界観が生まれてくるのではないかと直感しました。そして映像としてはこの新しい世界の広がりと、絵画から音楽が生まれくるプロセスを視覚的に表すことが重要だと考えました。

映像は無機質な施設の通路のような場所から始まります。この現実的な世界に、ふと不思議な現象が立ち現れます。タイトルロゴでも重要視した現実の中の非現実です。そして、この侵食をきっかけに想像力の広大な世界が、どんどん広がっていき、音楽が生まれていく光景を表現しました。

写真から奥行き情報を分析して3Dデータ化することで、あたかもカメラが動いているようなアニメーションを実現しました。カメラマッピングという手法です。

液体のような動きのCGはメタボールという技術が使われています。これは球体同士がそれぞれの距離に応じて融合するモデリング方法です。

絵画をテクスチャーとした板状の平面ポリゴンを細分化したのち、断片化させてアニメーションしています。絵から粒子が発散されたような効果を狙いました。

粒子が束なり波形を描くシーンでは、思い通りの動きになるようアルゴリズムを実装しました。動きをパラメーター化することで調整を容易にしています。