想いをつなぎ、いのちをつなぐ

東日本大震災伝承館レポート②-2釜石市鵜住居町「いのちをつなぐ未来館・釜石祈りのパーク」

東日本大震災伝承施設のうち、岩手県にある3つの施設を訪問しました。この記事では、それぞれの施設で、どのような施設か、体験できることなど、実際に訪問し感じたことをレポートとしてお送りします。まだ伝承施設を知らない人も、これから訪問する人もぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

また、東日本大震災伝承施設については  こちらの記事  を参考にしてみてください。

釜石祈りのパーク

今回は前半に引き続き、釜石市鵜住居町の「うのすまい・トモス」にある釜石祈りのパークについてのレポートをお送りします。釜石市鵜住居町についてや「いのちをつなぐ未来館」、その周辺については  前半の記事  で紹介しているのでそちらも合わせてご覧ください。

釜石祈りのパークはいのちをつなぐ未来館のすぐ隣にある祈念公園です。東日本大震災の犠牲者を慰霊、追悼するとともに、震災の教訓を後世に伝える施設です。

公園内には4つのモニュメントがありました。一番初めに目に留まるのは「東日本大震災慰霊碑」と「津波高のモニュメント」です。

東日本大震災慰霊碑には震災で犠牲になられた方々の芳名が刻まれています。また慰霊のための献花台も備えてあります。

津波高モニュメントは、実際の鵜住居駅前地区における津波浸水高(海抜11m)を表しており、津波の脅威、震災の記憶を後世に伝える役目を果たしています。

この二つのモニュメントが見える位置で祈りを捧げました。実際にこの町で、この場所で多くの尊い命が失われたと思うと、とても重いものを感じました。

これは写真や映像では伝わらないことだと思います。ぜひ訪れ、感じてみてください。

津波高のモニュメントの方に向かう階段を上ると「釜石市民憲章碑」があります。あらゆる災害から未来の命を守るため、市民総意の誓いとしてつくられた「釜石市防災市民憲章」が刻まれています。

この祈念公園は丘のようになっているのですが、その丘を下ると「防災センター跡地碑」があります。

震災発災時、多くの人が犠牲になった「鵜住居地区防災センター」の跡地であることを記しています。前半の記事にも書いたのですが、この鵜住居地区防災センターは、避難場所ではなかったものの防災訓練の拠点となっていたこともあり、震災発災当日には多くの住民が避難をしてきました。

しかし鵜住居地区防災センターは低地にあったため避難してきた方々の多くがここで命を落とすという悲惨な出来事がありました。

この悲惨な出来事を二度と起こさないために後世に伝えていく役割がこの石碑はあるのです。

想いが伝わってくる場所

いのちをつなぐ未来館とはまた違い、何も語らない静かな公園は少し不思議な場所に感じました。

実際に多くの方が命を落とした場所であること。その出来事を二度と繰り返さないための人々の想いなど、この場所からはたくさんの想いが伝わってくるようで、ここで祈りを捧げることにはすごく意味のあることだと感じさせてくれる場所でした。

行けて良かったと思いましたし、機会があればまた行きたいなと思いました。

また津波高のモニュメントはとても迫力のあるものです。よく街中では電柱や施設に「ここまで津波が来ました」と記された看板などがあります。これらと同じ役割をしていますが、津波の高さを体感できるこのモニュメントは街中で見かけるものと比べると、より人々に津波の脅威を伝えられると感じました。

想いをつなぎ、いのちをつなぐ

釜石市の中でも甚大な被害を受けた鵜住居町で、その中でも多くの犠牲者を出した場所に訪れることで、今まで感じたことのないような人々の思いのようなものをすごく感じることができました。

東日本大震災を語る上で周知しておきたい出来事はたくさんあると思いますが、釜石の奇跡と悲劇という二つの出来事は絶対に忘れてはならないし忘れたくないと思いました。同じ鵜住居町でどうしてこのような差ができてしまったのか、その原因はなんだったのか。

この伝承施設に行き、知ることでこれからの来たる災害のための防災訓練、防災教育に活きてくると思います。

伝承施設レポートは次回の③で最後です。次にご紹介する施設は岩手県陸前高田市にある施設です。

陸前高田市は市の全世帯のうち約七割が被害を受けるなど岩手県沿岸地域の中でも甚大な被害を受けました。また「奇跡の一本松」がある市としても有名な町です。ぜひこちらの記事もご覧ください。

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