教員のためのBreakfast入門

Breakfastは汎用的なプレゼンテーション用のツールとしてWOWから2019年にベータ版がリリースされたアプリケーションです。PowerPointやKeynoteとは異なるアプローチで作られているのが特徴で、教育現場でも活用できるようにと開発が進められています。まずはどんなスライドが作れるのか下記のムービーをご覧ください。

なぜ教育現場?実は開発メンバーの一人でもある私自身が大学で教員をしており、大学教育にも活用できそうな機能を優先的に開発項目に加えてもらっている、というわけなのです。

このページでは大学教員である私が、なぜBreakfastを授業で使用しているのか、オススメの7つの理由を紹介します。長所だけでなく短所も含めて解説しますので参考にしていただければと思います。なおアプリケーションの詳細やダウンロードは公式サイトを参照下さい。

1
15回分の講義を1ファイルで管理できる。

長所Breakfastは1つの書類内に複数のスライドを作ることができ、さらにそれを階層構造で管理できるので、シラバスに沿って全15回の講義を丸ごと一つのファイル内に収めることが可能です。PowerPointやKeynoteですとファイルを15回分作り、それらを個別に開いて内容を確認する必要があったと思うのですが、そうした煩わしさから解放され、素早くスライドを切り替えながら授業の内容を考えることができるのです。

短所複数のスライドを内包できる分、一つのファイルのファイルサイズが大きくなりがちです。しかし大きくなりすぎた場合は、ファイルを前半と後半で2つ分けるなどの対応をすることで問題を解消できるかなと思います。

複数回の授業を一つのファイルで管理

2
台本を作るようにスライドを作れる。
レイアウトに時間をかけなくても良い。

長所Breakfastではページ単位に区切ったスライドではなく、縦スクロール型のWebサイトのようなスライドを作成します。ページ毎に情報をまとめていく、というよりも、伝えたい順番に台本を作っていく感覚に近いかと思います。この感覚が個人的にはとても解放的で、授業を進めていくときに自然体で話すことができるなといつも感じています。

話す内容を並べていくかのような手軽なスタイルで、しかも少しの手間で結果的にある程度レイアウトが整った美しいスライドが完成する。そんな使い勝手ではないかなと思います。

短所多くの先生方はページ型のスライド作成に慣れていると思いますので、最初は縦スクロール型に馴染めないかもしれません。またBreakfastは現時点では作図機能を持っていませんので、図や表は他のツールで作成して画像としてインポートする必要があります。こうした複数のアプリを使って教材を作るスタイルが煩雑に感じられる方もいらっしゃるはずです。私の場合は、作図はKeynoteかIllustratorで作成しています。

3
WindowsとMacで表示が変わらない

長所BreakfastはWebサービスではなくネイティブのアプリケーションで、Windows版とMac版が公開されています。フォントもアプリ内に埋め込まれているため、OSが変わることで表示が変わるということがありません。教員同士や学生へのデータの受け渡しした際に表示がおかしくなる、ということは発生しないというメリットがあります。

短所内蔵されているフォントしか使用することができませんので、複数のフォントを組み合わせた表現ができません。これは「装飾には時間をかけず、アプリに任せてしまう」というBreakfastの開発理念の表れでもあります。

4
HTMLでファイルを共有・公開できる

長所スライドは画像を内包したHTMLフォーマットで書き出せるので、HTML単体ファイルでやり取りでき、ChromeやSafariなどウェブブラウザで手軽に閲覧することが可能です。しかもHTMLは大学のLMSやTeams、Notionのようなサービスに直接アップロードし、他のコンテンツと並列にページに埋め込まれた形で表示できるのがとても便利なのです。

短所現バージョンではまだHTML書き出しは完全ではなく、レイアウトの再現性に若干の問題があります。またムービーを含んだスライドは単体HTMLではなく、HTML+データフォルダで書き出されます。この場合はフォルダに入れて圧縮して渡す、サーバーにアップするなどの一手間がかかります。

Breakfastから実際に書き出したサンプルのHTMLをこちらにアップロードしましたので、どのような表示になるのかを確認いただければと思います。

アップロードしたHTMLを直接閲覧可能
Teams
Moodle
OneDrive
Notion

ダウンロードして閲覧可能
Slack
Zoomのチャット

5
授業を双方向にしやすい機能がある

長所履修者の名前と顔が一致できないような講義では、授業中に学生をランダムに指名するのは難しいものです。しかしBreakfastのダイス機能を使うと、クリックひとつで学生をどんどんランダムに指名することが可能です。上手く使えば、教員と学生の距離が近づけ、学習への集中力を高められるかもしれません。

また他にも、複数キーワードをランダムに画面表示したり、タイマーを表示するなど、Breakfastならではのインタラクティブな機能が搭載されています。

短所インタラクティブな機能はまだ実装が進んでおらず、洗練されているとは言えない状況です。また搭載されている機能の数も限定的となっています。

6
無料で使える(現時点では)

長所現時点でBreakfastはベータ版であるということもあり、無料で使用できます。まだ詳細は確定していませんが、正式版がリリース以降、プロ用機能が有料オプションとして追加される予定です。

短所まだ開発中のアプリケーションのため、今後の正式バージョン公開以降のスケジュールや価格等が未確定であることです。

7
オンライン講義や教材作成への対応を強めていく計画がある

長所今後のBreakfastのアップデート項目として、優先的にオンライン講義への対応と教材作成アシスト機能が計画されています。まだ試作段階ではありますが、大学教員が手軽にオンデマンド配信用の教材を作れるようになることを目標にしています。

短所現在開発は順調に進んでおり、約2週間ごとにアップデートが実施されています。しかし、オンデマンド教材作成機能への対応時期はまだ未定となっています。

まだ試作段階なのですが、教材の書き出しについて実験開発を進めています。下記のリンクからご覧いただけますので、ぜひご覧ください。

まとめ

いかがだったでしょうか。突然の遠隔授業の準備だけでも忙しいのに、新しいツールを覚える暇などない、という状況かと思いますが、Breakfastの可能性を少しでも感じてもらえたら、ぜひダウンロードして試していただければと思います。

PowerPointやKeynoteなどの定番ツールがある中で、まだまだ未熟で新参者のツールではありますが、今後も地道に改良を重ね、微力ながら教育や研究の一助になればと考えています。

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